ノートをとったり、何かお知らせを書いたり、バースディカードを書いたりと日頃から何かと文字を書く機会はあるものですよね。誰かの手書きの文字が読みづらかった経験は誰しも一度はあるでしょう。きれいな字を書くための方法は色々とありますが、まずは文字をゆっくりと書くことをオススメします。

文字のきれいさはその書くスピードに大きく左右されます。何か考え事をまとめるだけなら自分で読むだけなのでどんな文字でも構いません。何かノートをとったり、記事を書いたりするようなときには素早く文字を書きとっていくことが大切なので、多少文字は乱れるものでしょう。

ただし誰かがそのノートを後で読むとなれば話は別です。普段のように乱雑な文字で書きとろうとすると、後で何が書いてあるかわからずに途方に暮れてしまうことになります。自分の文字が汚いだけだと思い込んで諦めている方も多いかもしれませんが、書くスピードにさえ気をつければ文字は格段に改善することができるのです。

最近もっぱら流行りのマインドフルネスのように、 今現在において起こっている物事(たとえば目の前の紙)に集中すれば文字はきれいになる...なんてことを言っているのではありません。人の命を扱い、日頃誰よりも集中しているはずのお医師さんたちのカルテの文字はとても読みづらいのですから。

ゆっくりと書くということはそれだけ時間がかかります。私も試しにJorge Louis Borgesの『The Library of Babel』からある一章をいつも通りのスピードで書き写してみました。次に同じ章を、今回は読みやすさに意識を置いた状態でゆっくりと書き写してみました。後者のほうは素晴らしく文字がきれいになった、とまでは言えませんが、それでも誰か他人に見せても恥ずかしくないレベルにまでは改善されたと思います。

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Image: Lifehacker US

最初に書いたほうは2分10秒、次は2分47秒かかったので、約30%ほど時間がかかったようです。人によって時間の差異はあるでしょうが、いずれにせよそこまで大きな差異ではないはずですから、他人に向けて字を書くならやはり少しでも時間をかけてきれいな文字を書きたいものです。

もしゆっくりと書くことにどうしても慣れなかったり、書くスピードを落とすことで思考を妨げてしまうということであれば、まずは下書きをしてから、その後清書をするようにするとよいでしょう。大抵2回目に書いたもののほうが内容も含めてよより良くなるものです。

タイプライターやコンピューターが世に出てくる前は重要な情報もすべて手書きでした。たとえば、図書館のカタログは幅広い利用者すべてにとって読みやすい文字でなくてはならなかったため、図書分類法の確立で知られるメルヴィル・デューイは読みやすい手書きの文字システムを生み出しました。

ある司書はノートをとるのに3分半かかり、カタログを書くのには12分かかったのに対し、別の司書はノートをとるのに3分半かかり、カタログは4分半で書き終えることができるようになりました。

短い時間できれいな文字を書けるようになったことで生産性は格段に向上したのです。手書きの文字を書かずとしてもコンピューターや写真で記録することができるようになった技術の進歩に私たちはもう少し感謝すべきなのかもしれませんね。


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Image via Kirtley Jarvis, JustCollecting

Source: The Library of Babel, Atlas Obscure

Nick Douglas - Lifehacker US[原文