ネットワーク分野で2017年に最も人気を集めた記事は「『遅くて使いものにならない』という光回線への声、定額制も限界か」だった。“高速”が売り物のはずの光回線サービスで使い物にならないくらい遅くなる事態が実は発生しており、その背景としてNTT東西とプロバイダーの裏事情があるという、多くの人が気付いていなかった点をいち早く解説した記事だ。同様のことを感じている人が多く、それらの間でソーシャルネットワーク(SNS)などを通じて拡散したことで話題となった。
1位と肩を並べるアクセス数だったのが2位の「米グーグルの設定ミス、なぜ日本の大規模ネット障害を引き起こしたのか?」だ。これは8月25日の昼ごろに日本国内で発生した大規模な通信障害について、米グーグルの誤設定が原因だということを伝えた記事である。単純にニュースとして事実を伝えるだけではなく、「なぜそうなったのか」ということをインターネット上の経路制御の仕組みと併せて解説した点が読者にとって役に立ち、多くのアクセスを集めたのだろう。
相変わらずの強さを見せたのが「iPhone」関連だ。特に、今年は通常進化のiPhone 8だけでなく、顔認証など注目の新技術を取り込んだ「iPhone X」への関心が高く、3位の「iPhone Xを買いたくない理由」、4位の「iPhone Xは文句なく買い、『20分天下』の不遇なiPhone 8に同情」など、賛否を問わずの人気で20位以内に関連記事が6本もランクインした。
定番の人気コンテンツが「コマンド活用もの」だ。例えば、7位に入った「[第1回]便利ポイント:Windowsの操作ならほぼ何でも自動化できる」はPowerShellの記事の一つだし、8位の「net useコマンド」と16位の「serviceコマンドでサービス(デーモン)のステータスを確認する」はネットワーク・コマンド集の中の記事だ。ネットワーク管理者にとって、日頃の運用やトラブル解決にコマンドの活用は欠かせないことから、日常的に読まれていることが分かる。